薬剤師・薬学部

MRになれば幸せになると思ってたけど違った話

MRになりたいなぁ
高給取りだしとりあえずMRで就職活動しておこうかなぁ
やりがいもありそうだし良いかなぁ

こんな人に読んでほしい記事です。

 

以下の内容を解説します。

・一般的なMRのメリット・デメリット
・思っていたのと違ったこと
・でも気になるなら就職活動してもいいと思う理由
・MRで学べる事
・これから就職活動する人が大事にしたいこと

これを書いている私は製薬会社に3年弱勤務してMRをしていた経験もあります。

就活時にはMRになれば「幸せな自分像」に近づけるかな?と思って就活しましたが、実際そんなことはなかったので体験をもとにこれからMRを目指す方に知ってほしい内容を書いてみました。

 

【一般的なMRのメリットデメリット】

一般的に言われていることで、私も就活時にはよく目にした内容ですが、ここは異論なしです。

 

■MRのメリット

・高給取り

一般的な会社員よりもMRは外勤手当等が手厚い分お給料が高いです。

 

・医療に携われる

医療系の大学でなくても医療に携わる仕事ができます。

 

・自分次第で自由時間がとれる

営業の合間の好きな時に休憩をとったりできます。
ただし、仕事優先ですのでいつでも好きにできるわけではありません。

 

・他社MRとも関われる

同じ医薬品でもA社とB社が一緒に販売している医薬品が結構あります。

併売とかコプロモーションと言ったりします。

薬を併売していると他社のMRと手を組んで営業活動を行ったりします。

 

■デメリット

・朝早いし夜遅いので拘束時間が長い

朝早くから卸に行ったり、夜遅くまで面会に時間がかかったり、講演会で帰りが深夜になったりとかなり拘束されます。

 

・休日も出勤したりと体を休める暇がない

休日に講演会があったりして休みの日にも出勤しないといけないこともあるので、忙しい時期は体を休める暇がなく大変でした。

 

・営業特有のストレスがある

どの業種にもストレスはあると思いますが、営業のストレスって結構重そうです。

私が感じたストレスはこんな感じです。

  • お客様(MRの場合はお医者様)に振り回されるから
  • MR嫌いの先生から明らかに邪魔そうな態度をされる
  • 予算・ノルマのストレス
  • 商品が良くなくても売らないといけない など

MRと話すのが好きな先生や超謙虚な先生もいますが、お医者様は基本的には変わった人・プライドの高い人が多いので、MRはかなり気を使う職業だと思います。

 

・人間関係がわずらわしい

他の会社のMRやMSなど人間関係が広がるメリットはありますが、逆に人間関係のわずらわしさも出てきます。

社会人として社内でもそれなりに気を使いつつ社外の人とも良い関係を作っていくことになるので、一人の時間を大切にしたいタイプの人はめんどくささを感じるでしょう。

 

・自己管理能力がない人は向かない

自分で予定を組み立てて仕事を作っていくような業種なので、自分の行動をコントロールすることが求められます。

自己管理が甘い人や何か一つのことに没頭するのが好きな人などは向かない印象です。

何種類かある仕事を区切りを決めて適度に時間と労力を配分したりすることが必要です。

 

■仕事例

  • プレゼン・説明会準備
  • 講演会・企画準備  
  • 営業活動
  • 営業訪問準備 
  • 日報報告
  • その他内勤
  • 社内テスト

ここらへんは常に同時進行です。

 

■思っていたのと違ったこと

私はわりと上司・前任ガチャに失敗した方の人間なので、すべての人に当てはまるわけではないのですが、悪い例を知っておいたら心の準備もしやすいと思うので書いてみました。

当時の私は誰かの役に立つやりがいのあることができれば幸せだろうなぁと思っていて、医療関係でかつ営業職ならそれを満たせるんじゃないかと思っていましたが実際はそこまで感じられなかったです。

無駄なことが多い(つめ、会議、飲み会)

無駄①つめ作業

一時的な売り上げのために売り上げが決まる締め日の直前だけ薬を買ってもらって、翌月返品してもらうなど意味の分からない慣習があります。

つめ作業を言うのですが返品してきて次の期はマイナスからスタートなのでかなり意味ないです。

最近はなくなってきたと聞きますがどうなんでしょうね。

私がいた会社もつめ作業がなくなってきたと言われていましたが、結局かなりの量あったのでどのくらいなくなったのかは不明です。

 

無駄②謎の会議

どこの会社もあるあるみたいですが、「これ私必要なの?」みたいな会議が結構ありました。

他の会社に行った友達も同じようなことを言っていたので会社員の運命なのかもしれません。

 

無駄②飲み会

「新人だから」という理由で会社の飲み会を企画しないといけないのも結構無理でした。

企画だけするから勝手に飲んでてくれ!私は早く帰りたい!と思っていました。

私が社会人に向いていない説もありますがね。  

 

あと医療機関によっては新年会・忘年会に出ないと薬を採用してもらえないみたいなところもありました。

本質からズレすぎてて意味が分からないなと思いましたし、疑問を感じない業界自体も好きになれなかったです。

 

医療関係者の前ではへこへこしていても、裏で「説明会の弁当でも食わせとけばいいんだよ」とか小馬鹿にしている社員

ここが私の上司・前任ガチャに失敗したところなんですが、新人の頃にある医療機関の営業方法について相談したときに「そんなの説明会で弁当食わせとけばいいんだよ」というように教わりました。

今だから違うとハッキリ分かるのですが、上司も前任もそういったことを口をそろえて言うので当時は「そうなのかな?」と信じていました。

 

まぁでもこんな適当な方法で本当に成績が出せるわけがないですよね。

説明会のお弁当は喜んでもらえるツールではあるのですが、そこがメインではありません。
質問して正しいことを教えてくれなかったこともあり、思っていたのと違って残念でした。

 

上司はそこまで責任は取ってくれない

会社員全般そうなのかもしれませんが、社長やオーナーでない限り上司は本当の意味で責任なんてとることができません。

「責任は俺がとってやる!」みたいなことを上司が言っても、ミスをして迷惑をかけてしまった得意先との関係は結局自分で修復していくしかありませんでした。

とはいえ、ミスしたときの上司同行での謝罪は会社としての態度を表せるので非常に重要なことです。

 

薬剤師にも案外時間を取られる

最初に言っておくと基本的には優しい方ばかりですし、医療を支えてくれている重要な人物です。

ただ、まれに医師よりも薬剤師への対応に時間をとられて処方権がある医師への営業活動が進まないこともあります。

 

とはいえ、病院薬剤師はチーム医療で患者さんを支えてくれていますし、特殊な薬などは正しく使ってもらうためにどんなに小さな薬局でも情報提供に行くことは意味があります。

 

自由な職種とうたっているが結局はゴリゴリの会社員

就活の時には先輩社員から「時間的にも好きにできる自由な職種だよ~」とやたら聞いていましたが、決められた枠の中で自由なだけで結局は他の業種よりも拘束されています。

空いた時間を本当に好きに使えるのかといえばそんなこともなく、、、
ランチとかで時間を少し使えたとしてもその分でできた仕事とかもあるわけで。。。

それに拘束時間が長いので長時間仕事モードではあるわけです。

 

1時間でも早く帰宅して自分の好きなことできた方がよっぽど時間の自由を感じました。

人によりますが、自由な仕事だと思いたいっていう部分はあるかもしれませんね。

 

裁量権もなくないけど少ない

裁量権がある部分もなくはないですが、ある程度模範解答が決まっていてAとBくらいの選択に思えました。

何年もやっていればそんなことはないのかもしれませんけどね。

 

ですが、会社員に裁量権を求めるのはちょっと違うのかなと思っています。

 

■インターン・OJTしても無駄!?入社してみないとリアルは感じられない

インターンでOJTで実際のMRさんについてまわったりするのですが、やはり自分が実際にMRとしてやってみるのと外から数日だけ見てみるのとでは違います。

OJTの先輩方は同行の日のために前もってやらないといけない仕事などを片付け、わざわざ営業だけの時間を作ってくれますが、実際は内勤作業や調べものなど営業以外の仕事も多いです。

 

この仕事のバランスはやってみないと分からなかったので、何日もOJTするよりも体験してみた方が早いと思いました。

 

また、インターンも数社して会社の理解を深める努力をしたつもりでしたが、思っていたのと違う感じはありました。

むしろインターンで綺麗事をすりこまれるので、現場で戸惑うことも(笑)

 

仮に現場MRの失敗談を聞いても「失敗したけど結局私だったから大丈夫でした★」みたいな全然響かない自慢話も多い気がしたので、やっぱり現場を体験してからじゃないと分からないなと思いました。

 

内定をもらいやすくするためにインターンするのはおすすめです。

 

■迷っているなら就活してみるのもあり!その理由4つ

ある程度しっかり就活を経験できるから

会社にもよりますが、MRは人気の職種なのである程度しっかり就職活動しないと内定をもらえません

 

就職活動は大変でしたが良い経験になりました。

適当にやって受かるところよりもしっかりと就職活動を経験してみるのも良いと思います。

仮に転職するときにもこの経験は活きると思います。

 

営業はさまざまな職種に活かせるから

営業は仕事を行う上でベースとなるスキルがかなり身につきます。

 

例えばこんなのです。

  • コミュニケーションスキル
  • プレゼンスキル
  • 時間配分能力 など

手に職という感じではないですが、どんな職場でもやっていける人材にはなると思います。

 

やらない後悔はない方がいいから

私がもしMRの就職活動をしなかったら多分後悔していたと思います。

 

結局MRは好きになれませんでしたが、自分でそのように判断して人生を進むのと、あいまいに流されて生きるのとでは全然違います

もし新卒の貴重なカードを使えるなら使ってみた方がいいです。

 

転職も可能だから

MRは転職も可能です。

 

私の同期でも他業種に転職した人や、やりたかった放浪の旅を満喫した後に派遣MRになった人もいます。

MRがしっかりした職種だからなのか、就活をしっかりしてきたおかげなのかは分かりませんが、かなりの確率で転職しています。

迷っているならやってみることを勧めている根底としては合わなかったら転職可能だからという理由も大きいです。

 

想像と違っていても人生やり直せる!!

 

■これから就職活動する人が本当に大事にしたいこと:自分の夢を本気で考える

これから就職活動をする人に大切にして欲しいのは、自分のやりたいことを本気で考えるということです。

就職当初は仕事に人生をかけるレベルでやっていかないといけないとは思うのですが、実際は人生は仕事がすべてではありません。

数年経って「なんか違った・・・」と思うよりも、就職活動をしている時期でしっかりと自分の人生の夢やなりたい自分を考えた方が良かったなと思いました。

 

私は当時、ESや面接対策用に取り繕った自己分析ばかりやっていて、それを頑張ったおかげで就職は出来ましたが就職後の違和感はすごく感じていました。

というのも本当にやりたいことや夢はまた別にあり、だけど世間の目を気にしたりそんなのできないかも・・・と自信がなくてMRという道を選んだからです。

 

MRは思ったのと違った・・と思ったのも、私がやりたかったことをムリヤリMRと重ねていて「私はMRになりたいんだ」と思い込んでいたからなのかもしれません。

 

人生において大切なのはESや面接対策用の「やりたいこと」ではなかったので、あとあと違和感を感じないためにも「本当の自分の望み」を是非考えてみてくださいね♪

 

とはいえ、就活の時期はESや面接対策に時間を取られがちですけどね!

「本当の自分の望み」は今後の人生をかけて自己分析していくこととなるので、就活で自己分析した経験も無駄じゃないです!

コレジャナイ!と思ったらいつでもやり直せる!

今しかできない後悔のない選択を!

 

新卒カードは挑戦しやすいので是非上手に使ってみてください。

それでは今回は以上とします。

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